眼科便り

2023年5月18日

近視化進行抑制について

近視が高度になると網脈絡膜萎縮をきたし視力が低下することがあります。この視力低下には現在有効な治療法がありません。他にも強度近視に伴う網膜剥離、緑内障、近視性視神経症などをきたすことがあります。
一方で昨今のPC、スマホなどのIT機器の社会への浸透に伴い幼少期から近見視する時間が増加、それが近視人口の増加につながっている、との見方があります。実際、東アジア圏では近視人口増加傾向が著しく、国家単位での問題と認識されつつあります。

当院では近視化進行抑制のため、日常生活の指導、点眼(マイオピン)、オルソケラトロジー等にて近視進行の予防をはかっています。

日常生活の注意点として
・近見時間を短くする
・太陽光を浴びる
などが近視化抑制効果があると言われています。

他に、近視化進行抑制法としてエビデンスがあるとされ、また日本国内で利用可能な治療法には
①低濃度アトロピン点眼:夜寝る前に一日一回点眼します(自費診療となります)
②オルソケラトロジー:夜寝ている間だけ専用のハードコンタクトレンズを装用します
③多焦点ソフトコンタクトレンズ:特殊なデザインのソフトコンタクトレンズを使用します。
などがあります。

この内①②③の治療は当院でも可能です。近視化抑制外来(月〜金)を予約してください。
それぞれの詳細は別項で述べたいと思います。