眼科便り

2024年2月20日

開放隅角緑内障

緑内障は眼圧が主な原因で視神経が不可逆的に障害され、失明に至る疾患です。緑内障には以下のような種類があります。

開放隅角緑内障:
房水の出口である隅角が正常眼と同じように開いている
閉塞隅角緑内障:
隅角が閉じている、もしくは狭い
続発性緑内障:
疾患(ブドウ膜炎、偽落屑症候群等)や、薬剤の副作用(ステロイド)などが原因
小児緑内障
開放隅角緑内障について
治療:
眼圧を下降させ、維持していきます。治療前の眼圧を測定、ベース眼圧とし、そこから20~30%下げるのを目標に治療を開始します。

まずは点眼の開始、もしくはSLT(選択的レーザー繊維柱帯形成術)の施行

• 点眼薬はまず1種類から始め、眼圧変動、視野障害進行度をチェックしていく

進行+ → 点眼追加:合剤が多く出ているため2つの点眼薬使用で薬剤4種類分の効果がある
進行++(もしくは薬剤の副作用などで使用不可) → 手術

手術療法には

• MIGS(低侵襲緑内障手術)
トラベクトーム、トラベクロトミー、iStent等の低侵襲の手術眼圧降下は15mmHg位まで
• トラベクレクトミー
眼圧降下は10mmHgくらいまで可だが合併症として術後出血・低眼圧・視力低下・術後乱視などがある
• Express
PFMのため今後は少なくなることが予想される
• PFM
詳細はこちら
• バルベルト
緑内障インプラント
 等があります。

 当院では

• MIGS → トラベクトーム:
iStentよりも眼圧下降大きく、フックによるトラベクロトミーよりも前房出血が遥かに少ないため、当院ではこれを選択しています。
• トラベクレクトミー:
眼圧 10mmHg 可
合併症として術後出血・低眼圧・視力低下・術後乱視等
• PFM:
トラベクレクトミーに比べて眼圧下降の効果は劣るようですが、手術侵襲が少なく術後出血・低眼圧・視力低下・術後乱視ははるかに少なく、濾過胞が厚いため術後の眼内炎も少なくなる等の利点が多い(これからの緑内障手術の主流となるかもしれません)
【 眼圧下降効果は トラベクレクトミー > PFM > MIGS 】
 を行っています。