眼科便り

2024年1月10日

マイボーム腺機能不全(MGD)

涙の油分は眼瞼にあるマイボーム腺より分泌され涙の蒸発を防いで涙液層を安定させます。
マイボーム腺からの油分の分泌減少により、流涙、異物感、乾燥、痛み、かゆみ、メヤニ等の症状が、特に起床時に起こります。

主な原因
  • 加齢
  • ホルモンバランスの崩れ(閉経後、生理後半)
  • 食事(肉食)
  • 感染
主な治療
  • シャンプーなど眼瞼洗浄、マッサージ
  • 温罨法
  • 抗生剤の内服、点眼(炎症ある時)
  • ドライアイある時にはドライアイ治療
  • サプリメント(オメガ3系脂肪酸[DHA、EPA])、魚類(オメガ3系脂肪酸を豊富に含む)の摂取
類縁疾患
  • 眼瞼炎
    • 前部:
      まつ毛の炎症(細菌、カビ、ダニなどが原因→マイボシャンプーtea tree1.0が効果有)
    • 後部:
      マイボーム腺より後部の炎症:マイボーム腺炎、SLK(上輪部角結膜炎 )、LWE(lid-wiper-epitheliopathy)
    • マイボーム腺炎:MGD等によりマイボーム腺に炎症を起こす。
    • 若年者→フリクテン:表面に新生血管を伴い、傷、炎症を起こす。
    • 高齢者→角膜炎
    治療は抗生剤の内服や点眼になります。
  • 霰粒腫:MGDがベースにあって起こり、細菌感染+慢性炎症によってMGDを悪化させる
    治療は抗生剤の点眼や内服、ステロイドの点眼、温罨法、マイボシャンプーの使用、切開(小手術)、ステロイド注射などがあります。